情趣豊かな風景や四季折々の草花、生き生きとした動物など、日本画家たちの鋭い感性により、数多くの名作が生み出されてきました。それらの中には、春の暖かな風や秋の冷たい雨、湿潤な空気までも感じさせる風景画や、花々のかぐわしい香りが漂い、小鳥のさえずりが聞こえてくるような花鳥画、細やかな毛並みの表現に思わず触れて確かめたくなるような動物画など、目に映るだけでなく、心の琴線にふれ、五感を刺激する日本画があります。
五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のこと。本展では、当館が所蔵する横山大観や竹内栖鳳、榊原紫峰、
橋本関雪ら、近代日本画の巨匠たちが描いた名品の中から、五感に働きかける作品を展示いたします。
いつもとは異なる視点で作品を鑑賞することで、日本画の魅力をより感じていただけるはずです。
名画を見て、感じて、日本画の美の世界をご堪能ください。

古来多くの人々の心をとらえて放さない金の輝き。日本画の世界でも金箔や金泥など、様々な技法により金を効果的に用いた作品が多数制作されてきました。横山大観や川合玉堂らが描く作品をご覧いただくとともに、多様な金の表現をご紹介いたします。