小田野尚之 Odano Naoyuki 機関庫の窓平成21年(2009) 168.7×213.7 cm 駅の構内にある古びた機関庫。窓の多くはガラスが割れて板でふさがれているが、正面の窓からは光が漏れている。そこから遠くに見える赤いディーゼル車が目を引き、どこか懐かしく、ゆっくりとした時間の流れを感じる光景である。 小田野尚之 昭和35年(1960)~ 神奈川県に生まれる。昭和59年、東京藝術大学美術学部を卒業。翌年には院展初入選を果たし、以後院展に出品。その後、平成元年には母校の保存修復技術研究室非常勤助手を務める。11年、《ひととき》で第5回足立美術館賞を受賞。卓越した技術によって、どこか懐かしい風景やゆるやかな時間の経過を感じさせる作品を多く描いている。