米原雲海 Yonehara Unkai 南海観音立像年代不詳 高133.0 cm 三十三観音のひとつに数えられる魚藍観音は、手に魚籠を持つ姿で表される。唐時代、魚商をしていた美女が、実は観音の化身であったという説話が起源である。ゆるやかな曲線で彫り出された優麗な姿に、雲海の技量の高さがうかがえる。 米原雲海 明治2年(1869)~大正14年(1925) 島根県安来市に生まれる。はじめ大工をしていたが、京都や奈良の仏像に触発され、彫刻を志す。明治23年に上京し、高村光雲に師事。博覧会等で受賞を重ねる。30年に比例コンパスの技法を木彫に応用した作品を制作。この技法は木彫界に新機軸を示した。光雲の片腕ともいわれ、写実的で卓越した表現で木彫家としての地位を確立した。