平山郁夫 Hirayama Ikuo 祇園精舎昭和56年(1981) 171.0×362.0 cm シルクロードでの調査研究をもとに、初期に見られる幻想的な表現を取り入れた一作。「阿弥陀経」を説く釈迦と、話に聴き入る弟子たちの姿は光と影で表され、宗教的神秘感がひそやかに息づき、我々の魂を時空の彼方へと誘うようである。 平山郁夫 昭和5年(1930)~ 平成21年(2009) 広島県に生まれる。東京美術学校卒業後、前田青邨に師事。昭和28年、院展に初入選を果たし、以後同展を舞台に活躍。平成元年には東京藝術大学長に就任、10年には文化勲章を受章した。仏教をテーマに多くの名作を描き、さらには中近東から中国までのシルクロードを旅しながら取材し、幻想的な画風の中に壮大な歴史の流れを描き出した。